あなたがいれば〜第三章〜

青年と土佐犬が怪訝にこちらを伺っている。
気づいたら一人と一匹の絡みが始まってから、ちらほらいた人がいなくなっていた。

埴輪子は気まずさを感じ、口を開いた。
「こんにちは、か…かわいいワンちゃんですね。」
私の声を聞くと、青年は笑顔を見せた。
土佐犬、お好きですか?こいつ、アントニオは混じりっけのない、生粋の土佐犬なんですよ。ほら、アントニオ、ご挨拶しなさい。」
青年は綱を引いて、アントニオの首をひっぱった。
「本当はね、こんな首輪なんか付けたくないんですよ。
本当は、アントニオと並んで走りたい。
でもね、こういう世の中でしょ?誰もアントニオが人を襲わないいい子だなんて、わかってくれないんですよ。」
埴輪子は言葉に迷った。
どう見ても、世の中が正しい。

「アントニオ。ご主人に愛されて幸せね。」
アントニオにそう言うと、
「ガルルルル〜!」
睨まれてしまった。
「こらこら、アントニオ!こんな美人と話してるからって、やきもち妬くなよ。」
えっ、美人?
私のこと??
埴輪子は顔を赤らめた。

自分ではわからないが、かなり赤面しているようだ。
青年がこちらを見ている。
「わ…私……あなたのことが……」


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マーシーもブログ始めたみたいです。
負けてられないので、ダジャレを勉強しようかな。